2017.05.01リフブレ通信

里芋

桜の花が、ちらほらと咲き始めた四月のある日、私の百姓の師匠で今年九十歳になられた女性のご指導を頂き里芋を栽培しました。知人から頂いたとっておきの有機肥料をたっぷりと畑に振って、耕運機のミニ版である管理機なるもので、畑を耕します。管理機が小さいのでふらふらして、うまく進みません。まあ、私の操作技術の未熟さもありますが。耕運が終了したら、畝作りです。1m20cm位の間隔を空けて溝を何本か掘ります。私の場合は曲がってしまうのですが、師匠はまっすぐな一本道のようです。それにしても九十歳で、この元気。鍬仕事ができるなんてと尊敬します。溝ができたら、いよいよ植え付けです。種芋を溝のなかに、芽がでる方を上にして、50cm位の間隔で置いていきます。中腰の作業なので少し腰が痛くなります。腰を伸ばしたいのですが、「まだ若いのに」と師匠から叱られそうなので我慢して続けます。さあ!土をかぶせましょう。鍬でていねいに(私の苦手とするところ)かぶせます。100個ほど植え気持ち良い汗がでるころには終了です。「最初は心配だったけど、なんとか出来たなあ」師匠の励ましの言葉です。ふと、師匠の鍬を見ると、早くに亡くなられたご主人の名前の銘が刻まれています。四十年以上、畑や田んぼを黙々と耕してこられた大事な思い出の鍬でしょう。女一人での百姓仕事には、様々なご苦労があったことでしょう。すぐ上の空に燕が二羽、ご苦労様と言わんばかりに何回も何回も遊覧飛行しています。▼里芋は六月頃に、芽が出ますが、その時土寄せと追肥をします。野菜作りのテキストには、その後数回追肥と書いてありますが、どうしましょう?人間も同じですが、余り過保護にしないほうが、ちゃんとした美味しい里芋が出来そうです。十月に初収穫、食卓に届きます。里芋のお煮しめ、味噌汁、のっぺ汁、だご汁、おでん等おいしそうですね。今から楽しみです。「師匠、秋の収穫作業、ご指導宜しく」「そうなあ、まだまだ元気で頑張るばい」師匠の力強い言葉で、こちらも元気を貰いました。▼里芋のことを調べてみました。原産地は、東南アジアで、タロイモ科の仲間だそうです。奈良時代に、日本に渡来し栽培されています。里芋の語源は、山で採れる山イモと区別するため、里で作る芋からきているようです。別名、家イモ、田イモともいいます。また、里芋は親イモ、子イモ、孫イモとできるため、子孫繁栄の縁起ある食物として、お正月の御節料理の定番のようです。栄養価や成分は、よく分かりませんが、低カロリーで塩分も少なく身体に優しい食物のようです。そうそう、私の好きな里芋料理に方言でいう、「つんむき芋」があります。正式には、衣被(キヌカツギ)といいますが、子芋を皮のままで茹で塩や醤油で食べるものです。酒の肴に最高です。「母君の客よろこびてきぬかつぎ」(星野立子)の俳句もあります。▼専門家によると、野菜や植物作りの基本の第一は、土作りだそうです。育つ土壌が大切ですね。人でいえば成長するため人間学を学び体得することでしょう。二番目に上手に育てるために、葉の裏まで良く観察することだそうです。部下も良く観察し、的確なアドバイスをしなければ育ちませんね。次に記録が大切。何時、種をまいた。その時の天候は?気温は?細かいデータを残しておいて、活用すること。失敗は成功の元といいますが、その時のデーターが成功に導く羅針盤になりますね。植物も人間も自然界の法則で成り立っています。知っていることと出来ることは違う。勉強になった里芋栽培でした。