2018.11.01リフブレ通信

蛍の光

「降る雪や明治は遠くなりにけり」俳人の中村草田男が、昭和6年、母校の小学校を尋ねたとき、雪降りしきる校庭を見て詠んだ句です。自分の青春時代が懐かしかったのでしょうか。さて、明治のご一新から大正、昭和、平成と時は流れ150年の月日が経ちました。今年は、「明治維新150年」です。各地、各方面で、記念イベントが開催されています。そんなイベントのひとつである、某出版社が、企画、開催した「維新の人物に学ぶ」というタイトルの講演記録CDを入手し聴くことができました。感想を言えば、司馬遼太郎氏の小説「坂の上の雲」の読後感と近い感慨でした。一人の日本人として、大和魂に火が点く、そんな感覚でしょうか。簡単に内容を一部、紹介しますと、勝海舟をして「俺は天下で2人、怖い者を見た。1人は西郷隆盛、そしてもう1人が横井小楠だ」と言わしめた。肥後の傑物たる横井小楠の幼少期から明治2年に61歳で暗殺されるまでの、政治家、思想家としての、志の高さや学問にたいする学ぶ姿勢に感服致しました。それから、日露和親条約を結んだ、大分県日田出身の川路 聖謨(かわじ としあきら)の鋭い交渉力、さらに、世界から、日本に副島種臣ありといわれた元佐賀藩士の世界観等、まさに「坂の上の雲」です。日本が欧米列強から植民地化されるのを何としても阻止しようと必死になって奮闘した明治の群像が浮かんできます。▼そのなかでも、面白かったというと不謹慎かもしれませんが、興味津々で聴いたのが、福岡市に在する中村学園大学の教授である、占部賢志先生の明治維新は、「蛍の光」の歌詞に集約できるという話でした。実は、「蛍の光」の歌詞は4番まであるのです。ご存知でしたか。私は恥ずかしながら知りませんでした。1番と2番は、卒業式で幾度も唱和しましたので、今でもよく覚えていますが。3番と4番は、この歳で初めて知りました。少し感動です。▼♪蛍の光、窓の雪、書(ふみ)よむ月日重ねつつ、いつしか年も、すぎの戸を明けてぞ、今朝は、別れゆく♪夏は蛍を集めて、その明かりで、冬は窓辺に積もった雪の明かりで昼夜を問わず勉学に励む「蛍雪の功」ですね。そんな明かりでは、本は読めないといったらおしまいですよ。♪とまるも行くも限りとて、かたみに思う千よろずの心のはしを、一言(ひとこと)に幸(さき)くとばかり歌うなり♪故郷に留まる人、新天地に出て行く人。「かたみ」とは、お互いにという意味だそうです。千よろずとは、沢山の思い出。それを一言でいえば、どうかお元気で、お幸せにということでしょうか。さあ3番です。♪筑紫のきわみ、陸(みち)の奥、海山遠く、へだつとも、その真心は、へだてなく、ひとつに尽くせ、国のため♪筑紫は九州のことですね。陸の奥は東北地方、距離はへだてていますが、心はひとつにして、お国のために尽力しましょう。この国とは、故郷と捉えたほうが、よいようです。そして4番。♪千島の奥も、沖縄も、八洲(やしま)のうちの、守りなり、至らん国に、いさおしく、つとめよ、わが兄(せ)、つつがなく♪北は千島列島から、南は沖縄から、日本列島を守っている。どこに行こうと、勇ましく、日本のために先輩達頑張ってください。そしてお達者でという意味だそうです。久しぶりに歌ってみてください。▼江戸時代の「士農工商」が、廃止され、明治時代は、努力すれば報われる時代だったようです。時代や政府や他人のせいにするつもりは、ありませんが、今はどうなんでしょうか。「明治維新150年」いま、明治に学ぶべきときですね。地平らかにして天成るの平成も、あと少し。新しい元号のもと、日本国民が力を合わせることが、できれば嬉しいですね。