2018.09.01リフブレ通信

ツバメ

残暑お見舞い申し上げます。それにしても、連日、暑い日が続きますね。秋は来るのかしらと、疑いたくなります。皆様、どうぞお身体ご自愛くださいませ。さて私事で恐縮ですが、五年前から現役を、半分ほど引退して、実家のある田舎で農業の真似事をしています。お陰様でまだ元気な父を手伝っての農作業です。たけのこ堀、田植えに始まる米作り、栗の手入れと収穫、自家用野菜の栽培等々。最初は慣れないこともあって苦痛でしたが、近頃は少し楽しくなってきました。まあ、しかし炎天下での草切りは堪えますね。全身に汗をびっしょりかきます。そんな時は軽トラのエアコンで身体を冷やして、作業小屋のテーブルに座って冷たい水を一杯。旨いですね。大自然というほどでは、ありませんが、いろんな鳥の鳴き声や山の木々の彩り、季節で変わる風の匂い等、自然の営みを肌で感じることができます。夜は父と晩酌です。父はビールの中ビン一本、 私は焼酎のお湯割り、特別な話はしませんが、互いの息災を祈って呑むひとときです。母がそんな二人をじっと見つめています。なんとなく有難いですね。▼♪旅のつばくろさびしかないか。俺もさみしいサーカス暮らし。とんぼかえりで今年も暮れて知らぬ他国の花を見た♪ご存知、西条八十作詞、古賀政男作曲の「サーカスの唄」です。と言う訳で、今年も六月中旬頃、旅のつばくろ(燕)が田舎の作業小屋に巣作りと子育てに立ち寄ってくれました。「今来たと顔を並べる燕かな」(一茶)ところがです。今年の巣作りは、ツバメにとっては、散々なものでした。雀が悪さをするのです。やっと巣が完成しそうになると、雀が何羽も来て、巣を壊すのです。ツバメも諦めずに、別の場所に作るのですが、また壊します。繰り返すこと四回、その後ツバメの姿を見かけなくなったので、諦めたかと思いきや、五回目の巣作りに挑戦します。今度は、片方のツバメが泥を運んでいる時、もう一羽が、雀の見張りをしています。無事、巣も出来て、雛も産まれましたが、雛が小さいので、雀が悪さしますから、餌を捕るのも交代です。「細き身を子に寄添う燕かな」(蕪村)なんとか八月の上旬に巣立ちました。遅い巣立ちでしたので、越冬ツバメになるかも知れませんね。今年は暑いので、南の国に帰るかもです。これに懲りずに来年も立ち寄ってくれることを、願います。「つばくろは妻子揃うて帰るなり」(一茶)▼ところで、言い伝えによりますと、昔々ツバメと雀は姉妹だったそうです。ツバメは、スズメ目ツバメ科に属しますので、まんざらではないかも。ある時、親が危篤になったとき、雀はすぐかけつけますが、ツバメは化粧してかけつけましたので、間に合いませんでした。それで、神様は、雀は五穀を食べて良いがツバメには虫しか食べていけないことにしたそうです。だからツバメが、地面に降りたのを見ません。何時も空中を軽やかに飛んでいます。雨の降る前など低空を颯爽と飛ぶ姿は、見事です。ツバメの平均の飛行速度は、時速五十キロだそうですが、天敵から逃げるときは、二百キロのスピードがでるそうです。驚きの速さですね。まさに新幹線「つばめ」です。▼まだまだ暑い日が続いていますが、暦の上では、二十四節気の「白露」を迎えます。七十二候では、四十四候の「玄鳥去(ツバメサル)」です。田舎の夜には、コオロギや鈴虫など秋の虫たちの大合唱が聞こえてきます、空には赤とんぼが遊覧しています。小さい秋がそこまできています。お月様も綺麗にみえる夜が多くなりました。「撫子や堤ともなく草の原」(虚子)旅に出たい季節。出かけてみましょうか。